Blog

【誕生石特集:10月】多彩なカラー&遊色効果に魅了される、10月の誕生石を紹介

【誕生石特集:10月】多彩なカラー&遊色効果に魅了される、10月の誕生石を紹介

紅葉や稲穂など、大自然の豊かな色彩に包まれる10月の誕生石はオパールとトルマリン。日々景色も変化する実りの秋にふさわしい、遊び心ある色彩が魅力のふたつの誕生石について紹介します。 10月の誕生石一覧 オパールとトルマリン、どっち?という声が聞かれることも多い10月の誕生石。結論から言うと、どちらも正式に制定されている10月の誕生石です。なぜ疑問に思う人が多いのでしょうか。その理由を石の詳細と合わせて見ていきましょう。 barmaleeva/ stock.adobe.com 10月の誕生石の成り立ち 生まれ月の宝石をお守りとして身につけたり、大切な人にプレゼントしたりと、ラッキーチャームとして世界各国で愛され続けている誕生石。日本の10月の誕生石はオパールとトルマリンですが、「どちらが正しい10月の誕生石?」と疑問を持つ人が多いよう。これは、世界各国の誕生石が全て同じではないことが背景にあるようです。イギリスやオーストラリアではオパールのみが10月の誕生石として制定されているので、そこから誤解が生じたのではと考えられています。また、ローズクォーツも10月の誕生石であるという情報も見受けられますが、ローズクォーツは誕生石ではなく10月の守護石と言われています。パワーストーンとしてそのように表現されることがあるため間違われてしまうようです。よって、が制定した正式な日本の10月の誕生石は、オパールとトルマリンだけです。 オパール 幻想的な虹色の輝きをはじめ、見る角度や光の屈折により何種類もの異なる色を発するオパール。大きく分けると、遊色効果(プレー・オブ・カラー)を持つ「プレシャスオパール」と、不透明で遊色効果を持たない「コモンオパール」のふたつに分けられ、その中からさまざまな色に枝分かれして独特の美しい色彩を生み出しています。 ▼オパールの詳細はこちらの記事を参照https://l-co.jp/magazine-opal1/ トルマリン 複雑な化学組成により、豊富なカラーバリエーションを持つ独特の宝石、トルマリン。例えばルビーの赤、サファイアの青などのように基調となる色はなく、「トルマリンには全ての色がある」と言われるほどの色の多彩さを誇っています。マイナスイオンを発生させる性質や熱を受けると電気を帯びる性質があり、ヒーリング効果があるとも言われています。 【10月の誕生石】虹のように輝く遊色効果がドラマチックなオパール 見る角度によって色合いを変える不思議な輝きから、別名「虹色石」とも呼ばれているオパール。その独特の色のゆらめきで人々を魅了し、世界で最も愛されている宝石のひとつとされています。そんなオパールの魅力をまとめてみました。 Jérôme Bouche/ stock.adobe.com 9月の誕生石サファイアの特長とは 美しい虹色の輝きが特長のオパール。その幻想的な光は、粒子の大きさによって光の屈折が変わり、異なる色彩を発生させる「遊色効果(プレー・オブ・カラー)」によるもの。360度どの角度から見ても異なる輝きが楽しめるのがオパールの魅力です。色が美しく均等に出ているものほど高価で、良質とされるオパールは表面全体に遊色効果が見られます。 オパールには、遊色効果を持つ「プレシャスオパール」と、不透明で遊色効果を持たない「コモンオパール」の2種類があり、それぞれに多彩な色のオパールが存在します。代表的なオパールの種類と特長を見ていきましょう。 遊色効果を持つ「プレシャスオパール」 ホワイトオパール 半透明の白~乳白色の地色に遊色が現れるもの。産出量・流通量ともに非常に多いことから、オパールと言えばこの色をイメージされるほど最もポピュラーなオパール ブラックオパール グレーからブラックで、反射光の下で黒色に見える地色に神秘的な遊色を見せるもの。オーストラリアでしか産出されず、最も希少性の高い高価値なオパール。 ウォーターオパール 無色透明~乳白色の地色に鮮やかな遊色効果を見せるもの。透明度が高く、まるで水滴の中に虹を閉じ込めたような美しさが人気のオパール。 ファイアオパール 赤、黄、オレンジなど暖色系の地色で、まるで燃え盛る炎のように情熱的な色を放つもの。透明~半透明で、遊色を示さないオパールも。 ボルダーオパール...

【誕生石特集:10月】多彩なカラー&遊色効果に魅了される、10月の誕生石を紹介

紅葉や稲穂など、大自然の豊かな色彩に包まれる10月の誕生石はオパールとトルマリン。日々景色も変化する実りの秋にふさわしい、遊び心ある色彩が魅力のふたつの誕生石について紹介します。 10月の誕生石一覧 オパールとトルマリン、どっち?という声が聞かれることも多い10月の誕生石。結論から言うと、どちらも正式に制定されている10月の誕生石です。なぜ疑問に思う人が多いのでしょうか。その理由を石の詳細と合わせて見ていきましょう。 barmaleeva/ stock.adobe.com 10月の誕生石の成り立ち 生まれ月の宝石をお守りとして身につけたり、大切な人にプレゼントしたりと、ラッキーチャームとして世界各国で愛され続けている誕生石。日本の10月の誕生石はオパールとトルマリンですが、「どちらが正しい10月の誕生石?」と疑問を持つ人が多いよう。これは、世界各国の誕生石が全て同じではないことが背景にあるようです。イギリスやオーストラリアではオパールのみが10月の誕生石として制定されているので、そこから誤解が生じたのではと考えられています。また、ローズクォーツも10月の誕生石であるという情報も見受けられますが、ローズクォーツは誕生石ではなく10月の守護石と言われています。パワーストーンとしてそのように表現されることがあるため間違われてしまうようです。よって、が制定した正式な日本の10月の誕生石は、オパールとトルマリンだけです。 オパール 幻想的な虹色の輝きをはじめ、見る角度や光の屈折により何種類もの異なる色を発するオパール。大きく分けると、遊色効果(プレー・オブ・カラー)を持つ「プレシャスオパール」と、不透明で遊色効果を持たない「コモンオパール」のふたつに分けられ、その中からさまざまな色に枝分かれして独特の美しい色彩を生み出しています。 ▼オパールの詳細はこちらの記事を参照https://l-co.jp/magazine-opal1/ トルマリン 複雑な化学組成により、豊富なカラーバリエーションを持つ独特の宝石、トルマリン。例えばルビーの赤、サファイアの青などのように基調となる色はなく、「トルマリンには全ての色がある」と言われるほどの色の多彩さを誇っています。マイナスイオンを発生させる性質や熱を受けると電気を帯びる性質があり、ヒーリング効果があるとも言われています。 【10月の誕生石】虹のように輝く遊色効果がドラマチックなオパール 見る角度によって色合いを変える不思議な輝きから、別名「虹色石」とも呼ばれているオパール。その独特の色のゆらめきで人々を魅了し、世界で最も愛されている宝石のひとつとされています。そんなオパールの魅力をまとめてみました。 Jérôme Bouche/ stock.adobe.com 9月の誕生石サファイアの特長とは 美しい虹色の輝きが特長のオパール。その幻想的な光は、粒子の大きさによって光の屈折が変わり、異なる色彩を発生させる「遊色効果(プレー・オブ・カラー)」によるもの。360度どの角度から見ても異なる輝きが楽しめるのがオパールの魅力です。色が美しく均等に出ているものほど高価で、良質とされるオパールは表面全体に遊色効果が見られます。 オパールには、遊色効果を持つ「プレシャスオパール」と、不透明で遊色効果を持たない「コモンオパール」の2種類があり、それぞれに多彩な色のオパールが存在します。代表的なオパールの種類と特長を見ていきましょう。 遊色効果を持つ「プレシャスオパール」 ホワイトオパール 半透明の白~乳白色の地色に遊色が現れるもの。産出量・流通量ともに非常に多いことから、オパールと言えばこの色をイメージされるほど最もポピュラーなオパール ブラックオパール グレーからブラックで、反射光の下で黒色に見える地色に神秘的な遊色を見せるもの。オーストラリアでしか産出されず、最も希少性の高い高価値なオパール。 ウォーターオパール 無色透明~乳白色の地色に鮮やかな遊色効果を見せるもの。透明度が高く、まるで水滴の中に虹を閉じ込めたような美しさが人気のオパール。 ファイアオパール 赤、黄、オレンジなど暖色系の地色で、まるで燃え盛る炎のように情熱的な色を放つもの。透明~半透明で、遊色を示さないオパールも。 ボルダーオパール...

【2023年最新!】L&Co. ペアリングの人気ランキング・ベスト10を紹介!

【2023年最新!】L&Co. ペアリングの人気ランキング・ベスト10を紹介!

ペアリングは、L&Co.でも大人気のアイテム。世代を問わずたくさんのカップルから選ばれている、2023年最新の人気ランキングベスト10を紹介します! 【人気ランキング】L&Co. 人気ペアリングベスト10をチェック! 長く愛され続ける定番アイテムからトレンド感あるデザインまで、多彩なラインナップが取り揃うL&Co.のペアリング。最新の人気アイテムをランキングでチェック! 【第1位】ウェーブラインペアリング 第1位はシンプルペアリングの王道!指を優しくつつみこむようなウェーブラインのリングです。プラチナのような上品な輝きとシンプルで飽きのこないデザインで、シーンを選ばず身につけられるのが人気の理由。 レディースにはジルコニアのきらめき。結婚指輪との重ねづけにもぴったり/Lady’s : SV925・キュービックジルコニア Men’s : SV925 pair:¥12,100  lady's:¥6,600 men's:¥5,500 View more 【第2位】カットデザインペアリング シンプルながら、リング表面に施されたカットデザインがおしゃれなペアリング。レディースはジルコニアを留めたリングと地金のみのリング2本セットなので、重ねづけなどさまざまなアレンジを楽しめるのも魅力。 エッジの効いたカットがスタイリッシュで男性からの人気も高いペアリング/lady's : SV925・キュービックジルコニア men's : SV925 pair: ¥11,000 lady's: ¥5,500 men's: ¥5,500 View more 【第3位】印台ペアリング おしゃれなカップルから大人気!インパクトのあるシルエットが人気の印台リング。メンズは幅広で存在感たっぷり、レディースはシャープな細身のデザインで、スタイリッシュにおそろいを楽しむことができます。...

【2023年最新!】L&Co. ペアリングの人気ランキング・ベスト10を紹介!

ペアリングは、L&Co.でも大人気のアイテム。世代を問わずたくさんのカップルから選ばれている、2023年最新の人気ランキングベスト10を紹介します! 【人気ランキング】L&Co. 人気ペアリングベスト10をチェック! 長く愛され続ける定番アイテムからトレンド感あるデザインまで、多彩なラインナップが取り揃うL&Co.のペアリング。最新の人気アイテムをランキングでチェック! 【第1位】ウェーブラインペアリング 第1位はシンプルペアリングの王道!指を優しくつつみこむようなウェーブラインのリングです。プラチナのような上品な輝きとシンプルで飽きのこないデザインで、シーンを選ばず身につけられるのが人気の理由。 レディースにはジルコニアのきらめき。結婚指輪との重ねづけにもぴったり/Lady’s : SV925・キュービックジルコニア Men’s : SV925 pair:¥12,100  lady's:¥6,600 men's:¥5,500 View more 【第2位】カットデザインペアリング シンプルながら、リング表面に施されたカットデザインがおしゃれなペアリング。レディースはジルコニアを留めたリングと地金のみのリング2本セットなので、重ねづけなどさまざまなアレンジを楽しめるのも魅力。 エッジの効いたカットがスタイリッシュで男性からの人気も高いペアリング/lady's : SV925・キュービックジルコニア men's : SV925 pair: ¥11,000 lady's: ¥5,500 men's: ¥5,500 View more 【第3位】印台ペアリング おしゃれなカップルから大人気!インパクトのあるシルエットが人気の印台リング。メンズは幅広で存在感たっぷり、レディースはシャープな細身のデザインで、スタイリッシュにおそろいを楽しむことができます。...

18金・10金の違いとは?金の種類やカラー、お手入れ方法をチェック!

18金・10金の違いとは?金の種類やカラー、お手入れ方法をチェック!

地金の中でも高品質な素材の代表格として人気の高い金。純金は非常に柔らかいため、貴金属に用いられる金は他の金属を混ぜて美しい色や強度を出しています。それぞれに特徴的な輝きを放つ金の種類について紹介します。 金の種類について 18金や10金という言葉は聞いたことがあると思いますが、その数字の詳しい意味は知らない…という人も多いのではないでしょうか。この数字の意味や、金のバリエーションについて解説していきます。 seven1836/ stock.adobe.com 金の表記について 日本では、金の純度が99.9%以上の金を純金、または24金(K24)と呼んでいます。K24のKは、金の品位。金が含まれる割合、金の純度を示す単位であるKarat(カラット)の頭文字のことで、K=金の訳ではありません。なぜ100ではなく24が純金として表記されるかというと、金の品位の表示には24を最大の数と考える「24分率」という基準が使われているからです。これには諸説あり、金はまだ「%(パーセント)」の概念がない時代から存在し、その頃は「1日24時間」を基準にしていたから、という説や、かつて古代ギリシャでは貴金属を量る際に1粒当たりの重さが均一なイナゴ豆を用いており、金は「イナゴ豆24個分」の重さを基準に取引されていたから、などの説に起因するものと言われています。また、18金・K18と表記されているものは日本国内で製造された金製品、18Kと表記されているものは海外で製造された金製品に使われているという違いもあるそう。 金の種類について 一般的に貴金属に用いられる金は、強度を出し加工しやすくするため「割り金」と言われる銀や銅を混ぜており、K18やK10などの数値は金の含有率を表しています。前述のとおり、金の品位は24分率を用いているため、K18は24分の18、つまり金の含有率が75%であることを示しています。次から、それぞれの詳しい含有率を見ていきましょう。 18金(K18) 金が75%、割り金が25%の比率で構成されたもの。銀と銅が含まれています。他の金と比較して変色しにくいうえ耐久性も兼ね備えており、より錆びにくく傷もつきにくい優れものです。金の含有率が高いことから他の金と比べて高単価ですが、品質も高いことからブライダルリングの素材としても人気です。 14金(K14) 金が58.5%、割り金が41.5%の比率で構成されたもの。18金同様に銀と銅が含まれていますがパラジウムなどが含まれる場合もあります。高品質ながら18金よりもややお手頃なコストパフォーマンス、程よくライトな色合いなど、金の中でも最もバランスの良い地金として人気を集めています。 10金(K10) 金が41.6%、割り金が58.4%の比率で構成されたもの。より硬度があり傷付きにくいだけでなく、手に届きやすい価格で色の種類も豊富なK10はカジュアルに身に纏えるゴールドとして人気!よりクリアな色合いを活かし、ホワイトゴールドやイエローゴールド、ピンクゴールドに加工されることも。 金のカラーバリエーションについて 金の色は、割り金の比率が高くなるごとに重厚感のある金色からやや明るい金色に変化していきます。さらに、割り金の比率によってさまざまな色に変化していくのも特徴。どんな色があるのでしょうか。人気のカラーを紹介します! ピンクゴールド ピンクがかった優しい色みが特長のピンクゴールド。可愛らしい雰囲気で女性からの人気が高い色合いです。一般的に金75%、銅18%、銀5%、パラジウム2%で構成されており、そのピンク色は主に銅によって現れています。割り金の配合は商品によって違うため、ピンクの濃淡はブランドごとの銅の比率によってさまざま。イエベ、ブルベどちらの肌色にもなじみが良く、さりげなく身につけられるので、どんなファッションにも組み合わせやすいのが魅力です。 イエローゴールド 純金に近い、まるで太陽のように明るいゴージャスな輝きが特長のイエローゴールド。金75%、銀15%、銅10%で配合することで金の黄色味が強くなり、独特の美しさがでます。日本人に多いイエベ肌に映え、また、健康的な日焼け肌の人にも映えるので、男性も身につけやすい色合いです。合金の製法によってはプラチナかそれ以上の硬度を誇り、耐久性に優れ、変色してもゴールドらしさが失われないのも魅力のポイント。 ホワイトゴールド プラチナのような白銀色のホワイトゴールド。金75%、銀15%、パラジウム10%の割合で配合され、ゴールドに白銀色のロジウムでコーティング加工をして白く仕上げたものです。多少のニッケルを加えることで強度をさらに高めることも。プラチナと似ていますが価格面ではだいぶリーズナブルなので、ブライダルリングの素材をホワイトゴールドにし、その分の予算でダイヤモンドなど宝石をセットしたりデザインにこだわったりする人も多いようです。 金のお手入れ方法、気をつけるポイント アクセサリーの変色や黒ずみの原因のひとつは皮脂などによる酸化。金は酸化しにくく錆びにくい性質を持っているので比較的汚れにくい素材ですが、割り金の比率が高いものは注意が必要です。お手入れ方法をまとめてみました。 vejaa/ stock.adobe.com 金のお手入れ方法①優しく拭きとる ゴールドアクセサリーのお手入れは、柔らかい布やメガネクロスなどで付着した皮脂の汚れを軽く拭くだけでOK。アクセサリーを外したら拭く、を毎日の習慣にすれば、金の輝きも美しく保つことができます。この時気をつけなくてはいけないのが、研磨剤などを使わないようにすること。金は柔らかく純度が高いほど摩擦や衝撃で傷がついてしまう素材なので、特にK18は注意が必要。また、ホワイトゴールドはロジウムをコーティングしている素材なので、強くこするとコーティングが剥がれてしまう恐れもあります。優しく拭き取るようにするのがポイントです。 金のお手入れ方法②つけ置き洗浄する...

18金・10金の違いとは?金の種類やカラー、お手入れ方法をチェック!

地金の中でも高品質な素材の代表格として人気の高い金。純金は非常に柔らかいため、貴金属に用いられる金は他の金属を混ぜて美しい色や強度を出しています。それぞれに特徴的な輝きを放つ金の種類について紹介します。 金の種類について 18金や10金という言葉は聞いたことがあると思いますが、その数字の詳しい意味は知らない…という人も多いのではないでしょうか。この数字の意味や、金のバリエーションについて解説していきます。 seven1836/ stock.adobe.com 金の表記について 日本では、金の純度が99.9%以上の金を純金、または24金(K24)と呼んでいます。K24のKは、金の品位。金が含まれる割合、金の純度を示す単位であるKarat(カラット)の頭文字のことで、K=金の訳ではありません。なぜ100ではなく24が純金として表記されるかというと、金の品位の表示には24を最大の数と考える「24分率」という基準が使われているからです。これには諸説あり、金はまだ「%(パーセント)」の概念がない時代から存在し、その頃は「1日24時間」を基準にしていたから、という説や、かつて古代ギリシャでは貴金属を量る際に1粒当たりの重さが均一なイナゴ豆を用いており、金は「イナゴ豆24個分」の重さを基準に取引されていたから、などの説に起因するものと言われています。また、18金・K18と表記されているものは日本国内で製造された金製品、18Kと表記されているものは海外で製造された金製品に使われているという違いもあるそう。 金の種類について 一般的に貴金属に用いられる金は、強度を出し加工しやすくするため「割り金」と言われる銀や銅を混ぜており、K18やK10などの数値は金の含有率を表しています。前述のとおり、金の品位は24分率を用いているため、K18は24分の18、つまり金の含有率が75%であることを示しています。次から、それぞれの詳しい含有率を見ていきましょう。 18金(K18) 金が75%、割り金が25%の比率で構成されたもの。銀と銅が含まれています。他の金と比較して変色しにくいうえ耐久性も兼ね備えており、より錆びにくく傷もつきにくい優れものです。金の含有率が高いことから他の金と比べて高単価ですが、品質も高いことからブライダルリングの素材としても人気です。 14金(K14) 金が58.5%、割り金が41.5%の比率で構成されたもの。18金同様に銀と銅が含まれていますがパラジウムなどが含まれる場合もあります。高品質ながら18金よりもややお手頃なコストパフォーマンス、程よくライトな色合いなど、金の中でも最もバランスの良い地金として人気を集めています。 10金(K10) 金が41.6%、割り金が58.4%の比率で構成されたもの。より硬度があり傷付きにくいだけでなく、手に届きやすい価格で色の種類も豊富なK10はカジュアルに身に纏えるゴールドとして人気!よりクリアな色合いを活かし、ホワイトゴールドやイエローゴールド、ピンクゴールドに加工されることも。 金のカラーバリエーションについて 金の色は、割り金の比率が高くなるごとに重厚感のある金色からやや明るい金色に変化していきます。さらに、割り金の比率によってさまざまな色に変化していくのも特徴。どんな色があるのでしょうか。人気のカラーを紹介します! ピンクゴールド ピンクがかった優しい色みが特長のピンクゴールド。可愛らしい雰囲気で女性からの人気が高い色合いです。一般的に金75%、銅18%、銀5%、パラジウム2%で構成されており、そのピンク色は主に銅によって現れています。割り金の配合は商品によって違うため、ピンクの濃淡はブランドごとの銅の比率によってさまざま。イエベ、ブルベどちらの肌色にもなじみが良く、さりげなく身につけられるので、どんなファッションにも組み合わせやすいのが魅力です。 イエローゴールド 純金に近い、まるで太陽のように明るいゴージャスな輝きが特長のイエローゴールド。金75%、銀15%、銅10%で配合することで金の黄色味が強くなり、独特の美しさがでます。日本人に多いイエベ肌に映え、また、健康的な日焼け肌の人にも映えるので、男性も身につけやすい色合いです。合金の製法によってはプラチナかそれ以上の硬度を誇り、耐久性に優れ、変色してもゴールドらしさが失われないのも魅力のポイント。 ホワイトゴールド プラチナのような白銀色のホワイトゴールド。金75%、銀15%、パラジウム10%の割合で配合され、ゴールドに白銀色のロジウムでコーティング加工をして白く仕上げたものです。多少のニッケルを加えることで強度をさらに高めることも。プラチナと似ていますが価格面ではだいぶリーズナブルなので、ブライダルリングの素材をホワイトゴールドにし、その分の予算でダイヤモンドなど宝石をセットしたりデザインにこだわったりする人も多いようです。 金のお手入れ方法、気をつけるポイント アクセサリーの変色や黒ずみの原因のひとつは皮脂などによる酸化。金は酸化しにくく錆びにくい性質を持っているので比較的汚れにくい素材ですが、割り金の比率が高いものは注意が必要です。お手入れ方法をまとめてみました。 vejaa/ stock.adobe.com 金のお手入れ方法①優しく拭きとる ゴールドアクセサリーのお手入れは、柔らかい布やメガネクロスなどで付着した皮脂の汚れを軽く拭くだけでOK。アクセサリーを外したら拭く、を毎日の習慣にすれば、金の輝きも美しく保つことができます。この時気をつけなくてはいけないのが、研磨剤などを使わないようにすること。金は柔らかく純度が高いほど摩擦や衝撃で傷がついてしまう素材なので、特にK18は注意が必要。また、ホワイトゴールドはロジウムをコーティングしている素材なので、強くこするとコーティングが剥がれてしまう恐れもあります。優しく拭き取るようにするのがポイントです。 金のお手入れ方法②つけ置き洗浄する...

【誕生石特集:9月】その美しく特徴的なカラーに目を奪われる、9月の誕生石を紹介

【誕生石特集:9月】その美しく特徴的なカラーに目を奪われる、9月の誕生石を紹介

夏から秋へ、さらりと心地よい風を感じられるようになる9月。この季節にふさわしく、爽やかで心癒される色を持つ9月の誕生石は、サファイアとクンツァイト。美しい輝きを放つふたつの9月の誕生石について紹介します。 9月の誕生石一覧 もともと日本の9月の誕生石はサファイアのみでしたが、新誕生石としてクンツァイトが加わりました。他にもラピスラズリやペリドットを挙げることもあるようですが、正式な日本の誕生石はこのふたつです。その特徴や由来を見ていきましょう。 Mariusz Blach / stock.adobe.com 9月の誕生石の成り立ち 誕生石とは、1952年にアメリカ宝石小売商組合など複数の団体によって制定された、1年の各月ごとに割り振られた宝石のこと。国ごとに基準が異なるため、必ずしも世界中で統一されているとは限りません。日本では、全国宝石卸商協同組合が制定したものが正式な誕生石として認められています。 日本の9月の誕生石は長い間サファイアだけでしたが、2021年12月に誕生石の改訂が行われたことにより、クンツァイトが新誕生石として追加されました。クンツァイトが追加された理由は、この石の発見者である宝石学者ジョージ・フレデリック・クンツが9月生まれだったことが由来とされています。 一方、9月の誕生石としてはラピスラズリやペリドットが挙げられることも。これは、ラピスラズリがイギリスの9月の誕生石、ペリドットがフランスの9月の誕生石であることが理由と考えられており、世界基準で見れば間違いではありませんが、日本の誕生石として正式に認められているのはサファイアとクンツァイトのみです。 サファイア 抜けるような青空を思わせるブルーの輝きが神秘的なサファイア。ダイヤモンド・エメラルド・ルビーと共に世界4大宝石のひとつに数えられており、古来より特別な宝石として扱われてきました。代表的なブルーサファイアのイメージが強くありますが、他にもパープル、ピンク、グリーン、イエローなどカラーバリエーションが豊富であることも特長です。 ▼サファイアの詳細はこちらの記事を参照https://l-co.jp/magazine-sapphire/ クンツァイト 新誕生石として新たな9月の誕生石となったクンツァイトは、優しいライラックピンクがエレガントな宝石。見る角度によって色が変化する「多色性」を特徴として持っています。1902年に発見されたばかりのまだ歴史の浅い宝石であることから、その希少性と美しさにもかかわらず非常に手頃な価格で手に入れられることで、年々人気が高まってきています。 ▼クンツァイトの詳細はこちらの記事を参照https://l-co.jp/magazine-birthstone1/#9 【9月の誕生石】世界四大宝石のひとつ。多彩な色に魅了されるサファイア 9月の誕生石の代表格であるサファイア。旧聖書の時代から王族や聖職者の装飾品として愛されてきたという高貴な宝石です。澄んだブルーが特長的なサファイアですが、その色には独自の特徴が。その種類や歴史について紹介します。 Kaleb/ stock.adobe.com 9月の誕生石サファイアの特長とは ダイヤモンド、ルビー、エメラルドと並んで世界の四大宝石のひとつとされ、数千年もの昔から愛されてきたサファイア。コランダムという鉱物から生成され、その中でも赤色のものがルビー、それ以外は全てサファイアとして分類されています。古来、ルビーとサファイアは別の宝石として認識されていましたが、1783年に同じコランダムの一種であることが判明し、学名化するために赤いコランダムをルビー、青いコランダムをサファイアと呼ぶようになったそう。その後、コランダムにはもっと多くの色があることが判明しましたが、それらは全てサファイアとして分類されています。希少性が高い人気のカラーを紹介! ブルーサファイア サファイアの中でも最も代表的な青色。中でも美しいとされているのが以下のカラーです。 コーンフラワーブルー インドとパキスタンの国境にある山岳地帯カシミール地方で産出する、矢車草の色を表したベルベットブルーのサファイア。霧のかかったような幻想的な発色が特長で、サファイアの最高色として知られています。 ロイヤルブルー コーンフラワーブルーよりも青味が濃く、やや赤みのある発色が特長。かつて英国王室でチャールズ皇太子からダイアナ妃に婚約指輪として贈られ、ダイアナ妃の死後、ウイリアム王子からキャサリン妃へ受け継いだ宝石としても有名です。 ライトブルーサファイア...

【誕生石特集:9月】その美しく特徴的なカラーに目を奪われる、9月の誕生石を紹介

夏から秋へ、さらりと心地よい風を感じられるようになる9月。この季節にふさわしく、爽やかで心癒される色を持つ9月の誕生石は、サファイアとクンツァイト。美しい輝きを放つふたつの9月の誕生石について紹介します。 9月の誕生石一覧 もともと日本の9月の誕生石はサファイアのみでしたが、新誕生石としてクンツァイトが加わりました。他にもラピスラズリやペリドットを挙げることもあるようですが、正式な日本の誕生石はこのふたつです。その特徴や由来を見ていきましょう。 Mariusz Blach / stock.adobe.com 9月の誕生石の成り立ち 誕生石とは、1952年にアメリカ宝石小売商組合など複数の団体によって制定された、1年の各月ごとに割り振られた宝石のこと。国ごとに基準が異なるため、必ずしも世界中で統一されているとは限りません。日本では、全国宝石卸商協同組合が制定したものが正式な誕生石として認められています。 日本の9月の誕生石は長い間サファイアだけでしたが、2021年12月に誕生石の改訂が行われたことにより、クンツァイトが新誕生石として追加されました。クンツァイトが追加された理由は、この石の発見者である宝石学者ジョージ・フレデリック・クンツが9月生まれだったことが由来とされています。 一方、9月の誕生石としてはラピスラズリやペリドットが挙げられることも。これは、ラピスラズリがイギリスの9月の誕生石、ペリドットがフランスの9月の誕生石であることが理由と考えられており、世界基準で見れば間違いではありませんが、日本の誕生石として正式に認められているのはサファイアとクンツァイトのみです。 サファイア 抜けるような青空を思わせるブルーの輝きが神秘的なサファイア。ダイヤモンド・エメラルド・ルビーと共に世界4大宝石のひとつに数えられており、古来より特別な宝石として扱われてきました。代表的なブルーサファイアのイメージが強くありますが、他にもパープル、ピンク、グリーン、イエローなどカラーバリエーションが豊富であることも特長です。 ▼サファイアの詳細はこちらの記事を参照https://l-co.jp/magazine-sapphire/ クンツァイト 新誕生石として新たな9月の誕生石となったクンツァイトは、優しいライラックピンクがエレガントな宝石。見る角度によって色が変化する「多色性」を特徴として持っています。1902年に発見されたばかりのまだ歴史の浅い宝石であることから、その希少性と美しさにもかかわらず非常に手頃な価格で手に入れられることで、年々人気が高まってきています。 ▼クンツァイトの詳細はこちらの記事を参照https://l-co.jp/magazine-birthstone1/#9 【9月の誕生石】世界四大宝石のひとつ。多彩な色に魅了されるサファイア 9月の誕生石の代表格であるサファイア。旧聖書の時代から王族や聖職者の装飾品として愛されてきたという高貴な宝石です。澄んだブルーが特長的なサファイアですが、その色には独自の特徴が。その種類や歴史について紹介します。 Kaleb/ stock.adobe.com 9月の誕生石サファイアの特長とは ダイヤモンド、ルビー、エメラルドと並んで世界の四大宝石のひとつとされ、数千年もの昔から愛されてきたサファイア。コランダムという鉱物から生成され、その中でも赤色のものがルビー、それ以外は全てサファイアとして分類されています。古来、ルビーとサファイアは別の宝石として認識されていましたが、1783年に同じコランダムの一種であることが判明し、学名化するために赤いコランダムをルビー、青いコランダムをサファイアと呼ぶようになったそう。その後、コランダムにはもっと多くの色があることが判明しましたが、それらは全てサファイアとして分類されています。希少性が高い人気のカラーを紹介! ブルーサファイア サファイアの中でも最も代表的な青色。中でも美しいとされているのが以下のカラーです。 コーンフラワーブルー インドとパキスタンの国境にある山岳地帯カシミール地方で産出する、矢車草の色を表したベルベットブルーのサファイア。霧のかかったような幻想的な発色が特長で、サファイアの最高色として知られています。 ロイヤルブルー コーンフラワーブルーよりも青味が濃く、やや赤みのある発色が特長。かつて英国王室でチャールズ皇太子からダイアナ妃に婚約指輪として贈られ、ダイアナ妃の死後、ウイリアム王子からキャサリン妃へ受け継いだ宝石としても有名です。 ライトブルーサファイア...

ルビーやサファイアと間違えられてきた歴史を持つ「変装の達人」スピネル

ルビーやサファイアと間違えられてきた歴史を持つ「変装の達人」スピネル

スピネルは本来無色透明な石ですが、含有する成分によりさまざまな色に変化する宝石。その美しさから、ルビーやサファイアなどの高級宝石と混同されてきた歴史を持ちます。その独自のストーリーや色の種類、石の持つパワーを紹介します。 ルビーと混同され、歴史の表舞台で輝いたレッドスピネル 多彩な色を持つスピネルの中でも、ひときわ上質な輝きを放つ真紅のレッドスピネルは、かつてルビーとして扱われ人々に崇拝されてきたというユニークな歴史を持つ宝石。その代表的な言い伝えを紹介します。 BillionPhotos.com / stock.adobe.com イギリス王室の「黒太子のルビー」 黒太子とは、14世紀にフランスとの間に起きた100年戦争の前期に活躍したエドワード皇太子のこと。黒い甲冑に身を包んで戦場を駆け抜けた勇猛果敢な騎士で、多くの戦場で勝利をもたらしフランス軍からノワール(黒)と称されて恐れられたことから黒太子という名が付けられたそう。1367年、エドワード黒太子はスペインのカスティーリャ王を助けたことで王が所有していた140カラットもあるルビーを譲られました。そのルビーは「黒太子のルビー」と呼ばれ、黒太子の死後もさまざまな人の手に渡り、戦場を駆け抜けてもその都度イギリス王室へと戻ってきたことから、イギリス王室の守護石として大英帝国王冠の装飾に用いられました。 「持ち主に災厄を知らせる」、「身につけると争いに決して敗れない」など、護符として信じられていたルビー。「黒太子のルビー」が施されたカブトを着けて戦場に赴いたイギリス王ヘンリー5世は、頭に戦斧で激しい一撃を受けあやうく命を落とすところを「黒太子のルビー」がその一撃を跳ね返してイギリス軍に勝利をもたらしたという逸話も残っています。 ところが長きにわたりイギリスに勝利をもたらしてきたと言われていた黒太子のルビーは、実はレッドスピネルでした。1546年、ドイツの鉱山学者アグリコーラによってこの石がルビーやサファイアとは違う鉱物であることが発見され、スピネルという名前もこの時命名されていましたが、以後200年以上もスピネルはルビーと混合され続け、1783年、ロメド・リールという科学者により鑑別が行われた結果、正式に「黒太子のルビー」はスピネルであると判明しました。大英帝国王冠が制作されたのは1821年であり、この時にはルビーではなくスピネルとして王冠の中央に留められたそう。スピネルであっても、イギリスを勝利に導いた価値ある宝石であるということには変わらないと思われていた証拠かもしれません。 多くの征服者の手に渡った「ティムールルビー」 「ティムールルビー」とは、およそ353カラットと世界最大の大きさを誇るルビーのこと。1370年にティムール帝国を建設したティムールが最初に手に入れたことからこの名がついたとされており、その後この宝石を所有した6名の名前が刻まれていることでも知られています。ティムール帝国は、後に現代のイラクやイラン、グルジアやアルメニアなどを制圧し、広大な領土を持つ大国にまで成長しました。中近東のみならず、ムガール帝国の首都デリー(現在のインド)にも侵略の手を伸ばし、このデリー占拠の際に手に入れたのが、ティムールルビーだと言われています。ティムールの死後帝国は分裂し、ティムールルビーも再びムガール帝国の手に渡りましたが、後にアフシャール朝(現在のイラン・アフガン)に攻め込まれ、当時の皇帝が称号を保証してもらう代わりに「ティムールルビー」を差し出したという言い伝えも。その後、1849年にアジアとの貿易の独占権を与えられていた東インド会社の手に渡り、1851年のロンドン万国博覧会に展示されたのち、ヴィクトリア女王に献上されました。 このように、歴史の中で戦いに勝利したさまざまな王朝の手に渡ってきた「ティムールルビー」。この宝石も、ルビーとスピネルが正しく鑑定されるようになって実はスピネルだったということが判明しています。 「ない色はない」と言われるほどのスピネルの多色性 スピネルはもともと無色透明の石ですが、鉄やクロムなどが含まれることによりさまざまな色に変化します。天然スピネルでは黄色以外は全ての色がそろうと言われる、その多彩なカラーバリエーションを紹介! Stepan Popov/ stock.adobe.com ◆レッドスピネル 数あるスピネルの中でもトップクラスの知名度と価値を誇るレッドスピネル。この赤色はクロムが含まれることで発色し、クロムの含有量が高ければ高いほど赤の色相が強くなります。かつてルビーと間違われていた歴史を持つレッドスピネルですが、ルビーと比べて決して宝石の価値は劣りません。レッドスピネルはルビーよりも色味が均一に見える場合が多く、状態のよいレッドスピネルはルビーよりも希少性が高いと言われています。◆ピンクスピネル レッドスピネルにも匹敵するほど貴重で価値の高いとされるピンクスピネル。レッドスピネル同様、少量のクロムが含まれることでピンク色を発色します。ピンク色が濃く、鮮やかな色味のものが希少で高い人気を誇っており、中でも2007年にタンザニアで発見されたアヤナスピネルは、その美しさから価格が高騰しています。 ◆ブラックスピネル 近年そのスタイリッシュな美しさで人気が高まっているブラックスピネル。亜鉛の成分が含まれることで不透明な黒色を発色します。ブラックスピネルはカット加工をすることでより一層光を反射し、光沢感を増す宝石。ブラックオニキスにも似たその美しさは、ブラックダイヤモンドに勝るとも劣らないと言われています。 ◆コバルトスピネル/ブルースピネル コバルトスピネルとブルースピネルはどちらも青色系のスピネル。かつてはサファイアと間違われていたという歴史もあるほど美しい宝石です。鉄とコバルトが含まれることで青色を発色し、鉄が多いものがブルースピネル、コバルトが多いものがコバルトスピネルと呼ばれています。 ◆オレンジスピネル スピネルの中でも希少性が高いとされているオレンジスピネル。クロムと鉄によりオレンジ色を発色し、その含有率によって濃淡が非常に幅広い宝石です。 ◆その他 他にも、青のスピネル同様鉄やコバルトによって発色するグリーンスピネルや赤のスピネル同様クロムにより発色するパープルスピネルなども。また、原石そのまま、無色透明のカラーレススピネルも人気です。 カラー別、スピネルの持つパワーストーンとしての言い伝え...

ルビーやサファイアと間違えられてきた歴史を持つ「変装の達人」スピネル

スピネルは本来無色透明な石ですが、含有する成分によりさまざまな色に変化する宝石。その美しさから、ルビーやサファイアなどの高級宝石と混同されてきた歴史を持ちます。その独自のストーリーや色の種類、石の持つパワーを紹介します。 ルビーと混同され、歴史の表舞台で輝いたレッドスピネル 多彩な色を持つスピネルの中でも、ひときわ上質な輝きを放つ真紅のレッドスピネルは、かつてルビーとして扱われ人々に崇拝されてきたというユニークな歴史を持つ宝石。その代表的な言い伝えを紹介します。 BillionPhotos.com / stock.adobe.com イギリス王室の「黒太子のルビー」 黒太子とは、14世紀にフランスとの間に起きた100年戦争の前期に活躍したエドワード皇太子のこと。黒い甲冑に身を包んで戦場を駆け抜けた勇猛果敢な騎士で、多くの戦場で勝利をもたらしフランス軍からノワール(黒)と称されて恐れられたことから黒太子という名が付けられたそう。1367年、エドワード黒太子はスペインのカスティーリャ王を助けたことで王が所有していた140カラットもあるルビーを譲られました。そのルビーは「黒太子のルビー」と呼ばれ、黒太子の死後もさまざまな人の手に渡り、戦場を駆け抜けてもその都度イギリス王室へと戻ってきたことから、イギリス王室の守護石として大英帝国王冠の装飾に用いられました。 「持ち主に災厄を知らせる」、「身につけると争いに決して敗れない」など、護符として信じられていたルビー。「黒太子のルビー」が施されたカブトを着けて戦場に赴いたイギリス王ヘンリー5世は、頭に戦斧で激しい一撃を受けあやうく命を落とすところを「黒太子のルビー」がその一撃を跳ね返してイギリス軍に勝利をもたらしたという逸話も残っています。 ところが長きにわたりイギリスに勝利をもたらしてきたと言われていた黒太子のルビーは、実はレッドスピネルでした。1546年、ドイツの鉱山学者アグリコーラによってこの石がルビーやサファイアとは違う鉱物であることが発見され、スピネルという名前もこの時命名されていましたが、以後200年以上もスピネルはルビーと混合され続け、1783年、ロメド・リールという科学者により鑑別が行われた結果、正式に「黒太子のルビー」はスピネルであると判明しました。大英帝国王冠が制作されたのは1821年であり、この時にはルビーではなくスピネルとして王冠の中央に留められたそう。スピネルであっても、イギリスを勝利に導いた価値ある宝石であるということには変わらないと思われていた証拠かもしれません。 多くの征服者の手に渡った「ティムールルビー」 「ティムールルビー」とは、およそ353カラットと世界最大の大きさを誇るルビーのこと。1370年にティムール帝国を建設したティムールが最初に手に入れたことからこの名がついたとされており、その後この宝石を所有した6名の名前が刻まれていることでも知られています。ティムール帝国は、後に現代のイラクやイラン、グルジアやアルメニアなどを制圧し、広大な領土を持つ大国にまで成長しました。中近東のみならず、ムガール帝国の首都デリー(現在のインド)にも侵略の手を伸ばし、このデリー占拠の際に手に入れたのが、ティムールルビーだと言われています。ティムールの死後帝国は分裂し、ティムールルビーも再びムガール帝国の手に渡りましたが、後にアフシャール朝(現在のイラン・アフガン)に攻め込まれ、当時の皇帝が称号を保証してもらう代わりに「ティムールルビー」を差し出したという言い伝えも。その後、1849年にアジアとの貿易の独占権を与えられていた東インド会社の手に渡り、1851年のロンドン万国博覧会に展示されたのち、ヴィクトリア女王に献上されました。 このように、歴史の中で戦いに勝利したさまざまな王朝の手に渡ってきた「ティムールルビー」。この宝石も、ルビーとスピネルが正しく鑑定されるようになって実はスピネルだったということが判明しています。 「ない色はない」と言われるほどのスピネルの多色性 スピネルはもともと無色透明の石ですが、鉄やクロムなどが含まれることによりさまざまな色に変化します。天然スピネルでは黄色以外は全ての色がそろうと言われる、その多彩なカラーバリエーションを紹介! Stepan Popov/ stock.adobe.com ◆レッドスピネル 数あるスピネルの中でもトップクラスの知名度と価値を誇るレッドスピネル。この赤色はクロムが含まれることで発色し、クロムの含有量が高ければ高いほど赤の色相が強くなります。かつてルビーと間違われていた歴史を持つレッドスピネルですが、ルビーと比べて決して宝石の価値は劣りません。レッドスピネルはルビーよりも色味が均一に見える場合が多く、状態のよいレッドスピネルはルビーよりも希少性が高いと言われています。◆ピンクスピネル レッドスピネルにも匹敵するほど貴重で価値の高いとされるピンクスピネル。レッドスピネル同様、少量のクロムが含まれることでピンク色を発色します。ピンク色が濃く、鮮やかな色味のものが希少で高い人気を誇っており、中でも2007年にタンザニアで発見されたアヤナスピネルは、その美しさから価格が高騰しています。 ◆ブラックスピネル 近年そのスタイリッシュな美しさで人気が高まっているブラックスピネル。亜鉛の成分が含まれることで不透明な黒色を発色します。ブラックスピネルはカット加工をすることでより一層光を反射し、光沢感を増す宝石。ブラックオニキスにも似たその美しさは、ブラックダイヤモンドに勝るとも劣らないと言われています。 ◆コバルトスピネル/ブルースピネル コバルトスピネルとブルースピネルはどちらも青色系のスピネル。かつてはサファイアと間違われていたという歴史もあるほど美しい宝石です。鉄とコバルトが含まれることで青色を発色し、鉄が多いものがブルースピネル、コバルトが多いものがコバルトスピネルと呼ばれています。 ◆オレンジスピネル スピネルの中でも希少性が高いとされているオレンジスピネル。クロムと鉄によりオレンジ色を発色し、その含有率によって濃淡が非常に幅広い宝石です。 ◆その他 他にも、青のスピネル同様鉄やコバルトによって発色するグリーンスピネルや赤のスピネル同様クロムにより発色するパープルスピネルなども。また、原石そのまま、無色透明のカラーレススピネルも人気です。 カラー別、スピネルの持つパワーストーンとしての言い伝え...

【誕生石特集:8月】長い歴史とストーリーが魅力の3つの宝石。8月の誕生石を紹介

【誕生石特集:8月】長い歴史とストーリーが魅力の3つの宝石。8月の誕生石を紹介

灼熱の太陽にも負けない強いきらめきを放つ日本の8月の誕生石、ペリドット、サードオニキス、スピネル。古来より世界各国で愛され、それぞれが持つユニークな言い伝えを知るのも楽しい、そんな8月の誕生石について紹介します。 8月の誕生石一覧 日本の8月の誕生石はもともとペリドットとサードオニキスの2つ。2021年12月に全国宝石卸商協同組合から発表された改訂により、新たにスピネルが加わりました。その3つの誕生石の特徴や由来を見ていきましょう。 Rummy & Rummy / stock.adobe.com 8月の誕生石の成り立ち 1年の12ヵ月に特定の宝石を配し、自分の生まれた月の石を身につけると「幸せが訪れる」「願いが叶う」などと言われている誕生石。その起源は聖書にまでさかのぼり、旧約聖書の「エジプト記」に出てくるイスラエルの祭司長の胸当てにはめ込まれた12種類の宝石、さらには「ヨハネの黙示録」に理想郷として描かれた聖都の12 の城門の土台を飾る宝石に由来すると言われています。 今知られている誕生石のベースは、1952年にアメリカ宝石小売商組合など複数の団体によって制定されたもの。国によって違いがあり、日本ではペリドットとサードオニキスが8月の誕生石とされていましたが、2021年12月に新誕生石としてスピネルが加わり、3つとなりました。 ペリドット 新緑のように爽やかなオリーブグリーンの輝きが印象的なペリドット。古くから太陽のような力強いパワーがあると信じられており、古代エジプトでは「太陽の宝石」と呼ばれて王たちの王冠や装飾品に使われていたそう。夜の照明でも美しく輝くため、ローマ人からは「夜会のエメラルド」とも呼ばれていたという逸話も。 ▼ペリドットの詳細はこちらの記事を参照 https://l-co.jp/magazine-peridot/ サードオニキス 石英(クォーツ)の結晶が集まってできたアゲート(瑪瑙・めのう)の一種であるサードオニキス。サードニクス、サードニクスアゲートと呼ばれることもあります。赤褐色の地色と白い縞模様が一番の特徴。古代ギリシャ時代や古代ローマ時代から高貴な人を中心に愛され、紋章や印章として使われたり、カメオ彫刻などにも用いられたりしてきた宝石です。 スピネル 「ほぼすべての色がある」と称されるほど、カラーバリエーションが豊富なスピネル。鮮やかなピンク、オレンジ、紫、バイオレット、ブルーなど多彩な輝きを放ち、ルビーやサファイアなどの名だたる宝石と見間違われてきたという言い伝えが多いのが特徴。2021年12月、日本の新誕生石として8月の誕生石に追加されました。 【8月の誕生石】暗い場所でも明るい色を放つ「太陽の石」ペリドット すでに紀元前1500年には採掘されていたというペリドット。黄昏時になってからさらに輝きを放つその特徴から「太陽の石」とも称され、古代エジプト・ローマの時代から高貴な人々に珍重されてきました。そんなペリドットについて紹介します。 Russell/ stock.adobe.com 8月の誕生石ペリドットの特長とは 爽やかで明るいオリーブグリーンカラーのペリドット。古代エジプトの時代、紅海に浮かぶ島、セントジョンズ島で現地のエジプト人によって発見されたと言われています。一番の特長は、石に差し込んだ一筋の光がふたつの違う方向に進むほどに強い複屈折率。これにより光線量が少ない場所でも鮮やかに発色します。古代ローマでは、ロウソクのほのかな光を捉えてエメラルドのように輝くペリドットを「イブニングエメラルド(夜のエメラルド)」と呼んでいたという言い伝えも。 地中深くのマントル付近や火山岩の中から発見されますが、隕石の中から発見されたことがこともあり、その神秘性もまた魅力の宝石です。 高品質のものは緑色が強く、低品質のものはやや黄色~褐色がかっています。最高級の色はほとんどミャンマーとパキスタンから産出され、アメリカのアリゾナ州や中国の吉林省から採掘されたものは標準品質と評価されています。 ペリドットの歴史や言い伝えとは 暗闇でも光を放つその特性から、太陽のパワーを秘めた宝石として神秘的な力を持つと信じられていたというペリドット。特に太陽神を崇拝していた古代エジプトでは「太陽の石」と呼ばれ、強力な護符として王侯貴族が身にまとっていたとされています。旧約および新約聖書においても度々登場し、例えばヨハネの黙示録においては、「最後の審判」が下された後、「神の栄光に輝いていたエルサレムの城壁の土台を飾る12の宝石」の7番目として登場する事が記されています。 その美しい緑色は時にエメラルドと見間違われ、ドイツのケルン大聖堂にある200カラットのエメラルドは、実はペリドットだったといくことが後世になって正式な鑑定で判明しました。また、クレオパトラのエメラルドコレクションの中にはペリドットが混ざっていたのではというユニークな言い伝えも。...

【誕生石特集:8月】長い歴史とストーリーが魅力の3つの宝石。8月の誕生石を紹介

灼熱の太陽にも負けない強いきらめきを放つ日本の8月の誕生石、ペリドット、サードオニキス、スピネル。古来より世界各国で愛され、それぞれが持つユニークな言い伝えを知るのも楽しい、そんな8月の誕生石について紹介します。 8月の誕生石一覧 日本の8月の誕生石はもともとペリドットとサードオニキスの2つ。2021年12月に全国宝石卸商協同組合から発表された改訂により、新たにスピネルが加わりました。その3つの誕生石の特徴や由来を見ていきましょう。 Rummy & Rummy / stock.adobe.com 8月の誕生石の成り立ち 1年の12ヵ月に特定の宝石を配し、自分の生まれた月の石を身につけると「幸せが訪れる」「願いが叶う」などと言われている誕生石。その起源は聖書にまでさかのぼり、旧約聖書の「エジプト記」に出てくるイスラエルの祭司長の胸当てにはめ込まれた12種類の宝石、さらには「ヨハネの黙示録」に理想郷として描かれた聖都の12 の城門の土台を飾る宝石に由来すると言われています。 今知られている誕生石のベースは、1952年にアメリカ宝石小売商組合など複数の団体によって制定されたもの。国によって違いがあり、日本ではペリドットとサードオニキスが8月の誕生石とされていましたが、2021年12月に新誕生石としてスピネルが加わり、3つとなりました。 ペリドット 新緑のように爽やかなオリーブグリーンの輝きが印象的なペリドット。古くから太陽のような力強いパワーがあると信じられており、古代エジプトでは「太陽の宝石」と呼ばれて王たちの王冠や装飾品に使われていたそう。夜の照明でも美しく輝くため、ローマ人からは「夜会のエメラルド」とも呼ばれていたという逸話も。 ▼ペリドットの詳細はこちらの記事を参照 https://l-co.jp/magazine-peridot/ サードオニキス 石英(クォーツ)の結晶が集まってできたアゲート(瑪瑙・めのう)の一種であるサードオニキス。サードニクス、サードニクスアゲートと呼ばれることもあります。赤褐色の地色と白い縞模様が一番の特徴。古代ギリシャ時代や古代ローマ時代から高貴な人を中心に愛され、紋章や印章として使われたり、カメオ彫刻などにも用いられたりしてきた宝石です。 スピネル 「ほぼすべての色がある」と称されるほど、カラーバリエーションが豊富なスピネル。鮮やかなピンク、オレンジ、紫、バイオレット、ブルーなど多彩な輝きを放ち、ルビーやサファイアなどの名だたる宝石と見間違われてきたという言い伝えが多いのが特徴。2021年12月、日本の新誕生石として8月の誕生石に追加されました。 【8月の誕生石】暗い場所でも明るい色を放つ「太陽の石」ペリドット すでに紀元前1500年には採掘されていたというペリドット。黄昏時になってからさらに輝きを放つその特徴から「太陽の石」とも称され、古代エジプト・ローマの時代から高貴な人々に珍重されてきました。そんなペリドットについて紹介します。 Russell/ stock.adobe.com 8月の誕生石ペリドットの特長とは 爽やかで明るいオリーブグリーンカラーのペリドット。古代エジプトの時代、紅海に浮かぶ島、セントジョンズ島で現地のエジプト人によって発見されたと言われています。一番の特長は、石に差し込んだ一筋の光がふたつの違う方向に進むほどに強い複屈折率。これにより光線量が少ない場所でも鮮やかに発色します。古代ローマでは、ロウソクのほのかな光を捉えてエメラルドのように輝くペリドットを「イブニングエメラルド(夜のエメラルド)」と呼んでいたという言い伝えも。 地中深くのマントル付近や火山岩の中から発見されますが、隕石の中から発見されたことがこともあり、その神秘性もまた魅力の宝石です。 高品質のものは緑色が強く、低品質のものはやや黄色~褐色がかっています。最高級の色はほとんどミャンマーとパキスタンから産出され、アメリカのアリゾナ州や中国の吉林省から採掘されたものは標準品質と評価されています。 ペリドットの歴史や言い伝えとは 暗闇でも光を放つその特性から、太陽のパワーを秘めた宝石として神秘的な力を持つと信じられていたというペリドット。特に太陽神を崇拝していた古代エジプトでは「太陽の石」と呼ばれ、強力な護符として王侯貴族が身にまとっていたとされています。旧約および新約聖書においても度々登場し、例えばヨハネの黙示録においては、「最後の審判」が下された後、「神の栄光に輝いていたエルサレムの城壁の土台を飾る12の宝石」の7番目として登場する事が記されています。 その美しい緑色は時にエメラルドと見間違われ、ドイツのケルン大聖堂にある200カラットのエメラルドは、実はペリドットだったといくことが後世になって正式な鑑定で判明しました。また、クレオパトラのエメラルドコレクションの中にはペリドットが混ざっていたのではというユニークな言い伝えも。...